研究実績の概要 |
昨年度までの成果を踏まえて,基点付位相空間の間のホモトピー集合とそのホモトピー不変な部分集合族の研究を継続した. 山口俊博氏とファイブレイションと自己親密数に関する研究を行い,小田・山口の共著論文として,「Self-maps of spaces in fibrations, Homology, homotopy and applications 20 (2018), 289-313」として出版した.この論文により,ファイブレイションに表れる空間の自己親密数の間の関係を初めて解明できた.この結果は,山口氏と以前出版したコファイブレイションと自己親密数に関する研究の双対の結果であるが,完全な双対の結果が得られることではないここが解明できた.さらに,山口俊博氏と有限複体の自己ホモトピー同値写像とホモトピー集合と自己親密数に関する研究を行い、新しい結果を得て論文を作成中である.この中には興味深い例が多く含まれている. 木原浩氏と連続関数環のK群に関する結果を拡張して,木原・小田の共著論文として,「Rational cup product and Algebraic K_0-groups of rings of continuous functions, Proceedings of the Edinburgh Mathematical Society 61(3) (2018), 607-622」として出版した.この論文で懸垂空間について以前示されていた木原・小田の定理を懸垂空間でない場合に拡張した.さらに,直積空間の部分空間と商空間の自己同値写像の自己ホモトピー同値写像に関する共同研究論文を作成中である. 中岡史絵氏と作用子をもつ集合においてコンパクト集合と連結集合の概念を導入し,共著の論文を作成中である. また,平嶋康昌氏と弱ハウスドルフ空間の圏に関する論文作成を行い,ホモトピー論に便利な圏の構成に関する論文を作成中である.
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