平成28年度は接合積の超積von Neumann環を研究した.安藤とHaagerupによる超積von Neumann環の研究によって,超積von Neumann環の冨田竹崎理論が満足いく形で与えられた.その結果,超積von Neumann環のvon Neumannタイプを決定できる.一方で,von Neumann環には荷重の流れという不変量があり,超積環の荷重の流れの記述をすることが問題として残っていた.今回私は可換群による接合積の超積von Neumann環と,超積von Neumann環の可換群による接合積の関係について調べた.その際超積von Neumann環には連結群の連続作用が連続作用として拡張しないため,これまでの研究で用いてきた概念である同程度連続性を考察することが必要になる.その結果,超積von Neumann環の連続接合積分解,荷重の流れの記述を与えた.またvon NeumannタイプがIII1型でないIII型因子環の超積von Neumann環は,元の因子環と同じvon Neumannタイプである,という安藤-Haagerupの結果を系として別の証明で示した.また,fullな因子環と連続なcoreの超積との関係について調べ,coreの中心列von Neumann環の同程度連続な部分が自明であることと同値であることを証明した.また関連する話題として,III1型因子環のスペクトル部分空間が全体を生成することも示した.
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