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2016 年度 実施状況報告書

パンルヴェ方程式を中心とした可積分系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K04894
研究機関東京大学

研究代表者

坂井 秀隆  東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (50323465)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードパンルヴェ方程式 / 差分方程式 / 特殊函数 / 超幾何函数
研究実績の概要

本研究課題においては,近年発見されたパンルヴェ方程式の超越解の具体的表示のq類似の構成と,線型q差分方程式の変換理論,分類理論のふたつを具体的な目標として挙げてきた.
ひとつ目の超越解の具体的表示についてだが,神保道夫氏,名古屋創氏,広恵一希氏との共同研究で,少し進展があった.このまま計算を続けて,目標の表示の証明を得たい.少し,詳細について書くと,元の微分方程式に関する理論では,Bershtein らの結果から双線型方程式を使った証明が得られているが,ここでは Lisovyy らによるモノドロミー保存変形を使った証明の類似を考えている.双線型方程式については,q類似の理論に困難な点が残っており,今後の課題である.
ふたつ目の問題だが,すでに山口雅司氏との共同研究で,q差分方程式の場合の中間畳込みの定義や,既約な方程式が既約な方程式に変換されること,剛性指数が保存されることなどの諸性質については証明が完成していた.共同研究で得られた変換は1位の極を持つ方程式の Euler 変換のみしか扱っていなかったのに対し,理論の完成にはより高位の極を持つ方程式の Euler 変換が必要であることが分かっていた.今年度の計算で,具体的な変換公式,それらの持つ初等的諸性質を示すことができた.内容については,Banff における研究集会で発表した.
さらに続けて,Fuchs 型微分方程式について知られている Kac-Moody ルート系や,Weyl 群対称性との関係,また,箙多様体としてモジュライ空間を構成する問題についても考察を行っていきたいと考えている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

少しづつではあるが,計算も進んできている.このまま続けて目標としている結果にたどり着けると考えている.

今後の研究の推進方策

この研究課題において挙げてきた,具体的な目標である,パンルヴェ方程式の超越解の具体的表示のq類似の構成と,線型q差分方程式の変換理論,分類理論について,研究を続けていこうと思う.
他にも,申請書に述べた通り,パンルヴェ方程式に関する専門書を出版する予定もある.やりたいことは多いので,ひとつひとつ結果を残していきたい.

次年度使用額が生じた理由

2017年度,プラハにおける国際研究集会に参加するなどのため,2016年度の予算を一部繰り越した.

次年度使用額の使用計画

2017年度予算と合わせて,プラハにおける国際研究集会への旅費に充てる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] A rigid, irreducible Fuchsian linear q-difference equation can be reduced to a 1st order equation by integral transformations2017

    • 著者名/発表者名
      SAKAI Hidetaka
    • 学会等名
      複素領域における関数方程式とその周辺
    • 発表場所
      広島大学,東広島市
    • 年月日
      2017-03-07
    • 招待講演
  • [学会発表] A rigid, irreducible Fuchsian linear q-difference equation can be reduced to a 1st order equation by integral transformations2016

    • 著者名/発表者名
      SAKAI Hidetaka
    • 学会等名
      Painleve Equations and Discrete Dynamics
    • 発表場所
      BIRS, Banff, Canada
    • 年月日
      2016-10-04
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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