研究課題/領域番号 |
15K04896
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
松本 健吾 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (40241864)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | C*環 / 位相的マルコフシフト / Cuntz-Krieger 環 / 軌道同型 |
研究実績の概要 |
27年度研究初年度はC*-環並びに記号力学系の主に軌道同型について、国内並びに海外との研究者と積極的に研究交流を図り、学会や国内外の研究集会で講演を行い多くの研究討論を行った。特に10月24日から26日まで新潟県妙高市のKKRホテル妙高高原白樺荘において作用素論・作用素環論研究集会を開催し、3日間作用素環特にC*環と位相力学系についての九州大学の綿谷安男教授、富山淳 名誉教授たち研究討論を行った。12月には城崎交流会館で松井宏樹教授(千葉大学)との共同論文 "Full groups of Cuntz-Kriger algebras and Higman-Thompson groups"の表題で研究発表を行った。さらに1月27日から29日まで京都大学数理解析研究所で行われたRIMS共同研究では、"Continuous orbit equivalence of topological Markov shifts"について 連続講義を行った。また2月15日から3月14日までストックホルムのMittag-Leffler 研究所での国際研究プロジェクト"Classification of operator algebras: complexity, rigidity, and dynamics”に参加し海外の研究者と研究討論を重ねた。このプロジェクト期間中に行われたworkshop: Classification of operator algebras and dynamics I: C*-algebras では”Orbit equivalence, zeta functions of Markov shifts and classification of gauge actions on Cuntz--Krieger algebras”のタイトルで講演を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実績の概要に書いたように、27年度は国内外の多くの研究者と研究交流、研究討論ができ、研究が大いに進展し、次の論文が完成した 1.On flow equivalence of one-sided topological Markov shifts (Proc.Amer.Math. Soc.に掲載予定) 2.Continuous orbit equivalence, flow equivalence of Markov shifts and torus actions on Cuntz-Krieger algebras、 3.Topological conjugacy of topological Markov shifts and Cuntz-Krieger algebras
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今後の研究の推進方策 |
位相的マルコフシフトの軌道同型とCuntz-Krieger環の同型類の対応については、かなり解明されてきた。 さらにマルコフシフトのコホモロジーとの関係や、ゲージ作用の分類や、これらマルコフシフトの議論の一般の記号力学系への一般化の方向が今後の研究方向である。また連続充足群として現れる離散群の群としての性質もたいへん興味深く、これら充足群の代数的な性質解明も模索したい。これらの研究手段として、国内外で行われる研究集会や、特に28年8月に仙台で2週間に渡って行われる作用素の研究集会で、国内外の研究者と研究討論を通じて解明できればと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
10月に新潟県妙高市で主催した作用素論・作用環論研究集会の講演集の印刷費が予定より低価格であったことが、1,852円の次年度使用額が生じた大きな原因である。
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次年度使用額の使用計画 |
この差額を次年度では仙台で8月に行われる研究集会の旅費 もしくは、9月に京都大学数理解析研究所で行われるRIMS研究集会の旅費にあてる予定である。
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