研究課題/領域番号 |
15K04896
|
研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
松本 健吾 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (40241864)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | C*環 / 位相的マルコフシフト / Cuntz-Krieger 環 / 軌道同型 / 強シフト同値 / flow equivalence |
研究実績の概要 |
28年度は研究2年度は、27年度に参加したストックホルムのMittag-lefller研究所での作用素環論の国際研究プロジェクト”Classification of Operator Algebras: Complexity, rigidyty, and Dynamics"での研究のまとめを主に行い、次の4編の論文にまとめた: 1.Uniformly continuous orbit equivalence of Markov shifts and gauge actions on Cuntz-Krieger algebras. 2.Relative Morita equivalence of Cuntz--Krieger algebras and flow equivalence of topological Markov shifts, 3. State splitting, strong shift equivalence and stable isomorphism of Cuntz--Krieger algebras. 4.Imprimitivity bimodules of Cuntz--Krieger algebras and strong shift equivalence of matrices, また上記論文1、3の内容を関西大学で行われた日本数学会で発表し、上記論文2の内容を関前橋工科大学で行われた作用素論・作用素環論研究集会で発表した。上記論文2の内容は、3月に首都大学東京で行われた日本数学会でも発表した。 また、3月の首都大学での学会でクリーガー教授と共同研究のため研究討論した。また8月に仙台で行われた日本数学会夏季研究所に参加し、オタワ大学(カナダ)パットナム教授の講演から双曲型力学系に対する軌道同型類の研究も推進したいと考え,現在論文にまとめている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実績の概要にも書いたように昨年度のMittag-Leffler 研究所での研究プロジェクトへの参加により、多くの新しいアイデアが生まれ、研究実績の4編の論文にまとめることができた。特に下記の論文2編 1.Uniformly continuous orbit equivalence of Markov shifts and gauge actions on Cuntz-Krieger algebras. 2.Relative Morita equivalence of Cuntz--Krieger algebras and flow equivalence of topological Markov shifts, はアメリカ数学会の学会誌に掲載されることとなっている。
|
今後の研究の推進方策 |
位相的マルコフシフトの連続軌道同型類と対応するCuntz--Krieger館の代数同型類およびゲージ作用の共役類の研究については、かなり解明されてきたので、今後の新しい研究方向としては、位相的マルコフシフトの一般化された位相力学系に対して同様の解析をすることがあげられる。 一般化の方向としては二つの方向があり、一つは、ソヒックシフトなどを含むもっと一般の記号力学系に対する一般化の方向,もう一つはゼロ次元とは限らない双曲型の力学系への一般化である。今後はこの2方向を視野に入れて研究を推進したい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
12月に京都大学数理解析研究所で行われたエルゴート理論の研究集会に参加予定であったが、学内で行われた会議に出席せねばならず、参加できなくなった。 この京都への2泊3日の旅費の費用が支払われなくなり、次年度繰越金となった大きな理由である。
|
次年度使用額の使用計画 |
この繰越金を9月に京都大学で行われる作用素環論のRIMS研究集会への旅費に充てる予定である。
|