研究課題
本研究の目的は、ポテンシャル論における各主関数のディリクレ問題・ノイマン問題と2乗可積分な半完全正則微分のなす空間の再生核、および多変数関数論的変動である擬凸性との関係を明らかにすることである。具体的には、複素助変数と共にリーマン面が関数論的に動いたとき、各リーマン面の等角写像に関連したモジュライが複素多変数的に変動するようなものを見つけ、一変数的量変動と多変数関数論、特に擬凸領域との関連を引き起こす原理を追求することである。本研究最終年度は、研究期間全体を通じて得られた研究成果について、海外への情報発信を積極的に行い、国内外の研究集会にて本研究の意義および重要性を喚起した。実施した研究成果は次の通りである。1. 得られた研究成果を香港、台湾、ドイツ、フランス、韓国での国際研究集会およびセミナーにて招待講演を行った。2. 単著論文 Variation of Schiffer and hyperbolic spans under pseudoconvexity が査読付き国際雑誌 Springer Proceedings in Mathematics & Statistics「Geometric Complex Analysis」に出版された。本論文では、各開リーマン面のSchifferスパン(種数0)およびその拡張である双曲的スパン(種数1)の擬凸変動における複素多変数的性質を証明した。3. 種数2以上の有限種数開リーマン面が滑らかに変動する場合について、ある流体力学的微分が誘導するモジュライの動きを2階変分で明記し、その応用として、擬凸変動におけるモジュライ円板の剛性定理を示した。4. 2018年度多変数関数論冬セミナーを大阪市立大学で主催した(12月21日~12月23日、参加者40名)。複素解析幾何や関数論的手法を見つめ直し、将来につながる研究の芽を育てる重要な活動であった。
すべて 2019 2018 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 5件、 招待講演 10件) 備考 (2件)
Proc. of Conference on Teichmuller and Grothendieck-Teichmuller theories, Chern Institute
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Springer Nature Singapore Pte Ltd. J. Byun et al. (eds.), Geometric Complex Analysis, Springer Proceedings in Mathematics & Statistics
巻: 246 ページ: 171~178
https://doi.org/10.1007/978-981-13-1672-2_12
https://research-soran17.osaka-cu.ac.jp/html/100000808_ja.html
https://sites.google.com/site/scvwintersemi2018/home