研究課題/領域番号 |
15K04938
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
古谷 康雄 東海大学, 理学部, 教授 (70234903)
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研究分担者 |
澤野 嘉宏 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (40532635)
松山 登喜夫 中央大学, 理工学部, 教授 (70249712)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 特異積分 / 多重線形作用素 / 分数べき作用素 |
研究実績の概要 |
1.線形の分数べき作用素は Lp --> Lq 有界であるがL1 においては弱い有界性しか成り立たないことが分かっている.多重線形分数べき作用素においても Kenig-Stein(1999) が1つでも L1 空間があるときは弱い有界性が成り立つことを示した.しかし我々は多重線形の場合はL1空間があっても,さらにL{∞}空間があっても,値域が臨界点の空間であっても,他の空間が compensate してくれるので,適当の条件の下では強い有界性が成り立つことを示した.さらにその結果が最良であることも示した. 2.分数べき作用素の評価の応用としてCaffarelli-Kohn-Nirenberg の不等式と呼ばれるタイプの不等式の2重線形版を証明することができた.これは Moen (2009) の結果の改良になっている. 3.radial function に分数べき作用素を作用させた場合のべき乗重み付き評価に関する De Naploi, Drelichman, Duran の証明は非常に技巧的で長い.そこでMuckenhoupt-Wheeden, Sawyer らによる重みの理論を使うことにより別証明を与えることができた.これにより,モレー空間,多重線形分数べき作用素の重み付き評価も得ることができた. 線形の場合では成り立たない現象が,多重線形では起きることを発見できたので,これからの研究につながる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
線形の場合では成り立たない現象が,多重線形では起きることを発見できたので,これからの研究につながる.
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今後の研究の推進方策 |
Kenig-Stein 型の多重線形分数べき作用素の性質についてはある程度分かったので,今度はGrafakos 型の多重線形分数べき作用素の研究に進む.
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年度は海外の研究者を招聘しての研究集会を開催することが分かっていたのでその旅費にあてる.
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次年度使用額の使用計画 |
実解析学シンポジウムの旅費に20万円,調和解析セミナーの旅費に30万円あてる.
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