研究課題/領域番号 |
15K04939
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
鈴木 紀明 名城大学, 理工学部, 教授 (50154563)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ポテンシャル論 / 放物型Hardy空間 / 重み付き多項式近似 / 放物型Bergman空間 / Toeplitz 作用素 |
研究実績の概要 |
これまでの研究結果をまとめる形で2つの研究集会で講演発表した.一つは,熱方程式の多項式Dirichlet問題に関して,境界を決める多項式を正確に求めたもので,2018年7月5-8日に開催された国際研究集会,第12回AIMS Conference on Dynamical System, Differential Equations and Applications(台湾,台北) において講演をした.二つ目は,2018年8月9-10日に開催際された第7回岐阜数理研究会(岐阜大学サテライトキャンパス)において,これまでに得られた結果を整理して「放物型Berhgman空間上のToeplitz 作用素の有界性について」の講演を行い,今後に残されている問題を示した.
論文発表としては,可積分な関数 f の de la Vallee 平均 v_n(f) は f の近似を与えるが,さらに, f が絶対連続であれば,v_n(f) の導関数が f' の良い近似多項式になっていることを示して,Tohoku Math. J. に論文タイトル「Exponentially weighted polynomial approximation for absolutely continuous function」としてを発表した.また,関数 f が連続で有界変動のとき,実軸上の重みから定まる直交多項式系によるFourier部分和が f に一様収束する事実を示した.この結果は「Uniform convergence of orthogonal polynomial expansions for exponential weights」のタイトルで Hokkaido Math. J. に掲載が決まってる.以上の二つの結果は Freud型重みについては知られていたが,Erdos型重みの場合は新しい結果である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は3つの課題からなり,具体的には (1) Martin境界に現れる非正則点の自然な理解,(2) 放物型Bergman空間と放物型Hardy空間におけるコンパクトToeplitz 作用素の特徴付け,(3) Erdos 型重みに対する多項式近似の新しい展開,である.(2) についてはかなり研究が進み整理の段階に入っている.(3) に関しても新しい結果が順調に得られている.残念ながら (1) については停滞している.
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今後の研究の推進方策 |
本研究の柱として,毎週金曜日の午後に名城大学で「ポテンシャル論セミナー」を開催している.近隣の研究者が10名ほど集まり,最新の研究成果などを議論している.今年度もこのセミナーを充実させたい.20回以上開催する予定で,遠方の講演者には科研費からの旅費の援助を行い,新しい知見を得る機会にもしたい.このセミナーの前後で,研究協力者との研究連絡を行いたい.特に,多変数関数論への応用を議論したい.
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次年度使用額が生じた理由 |
ポテンシャル論セミナーでの講演をお願いしていた研究者2名の都合が悪くなりキャンセルとなったため,用意していた出張旅費が不要となった.これらの研究者には本年度のセミナーで講演して頂くことになっている.また,関数解析学に関する洋書を購入予定であったが,在庫の関係で実際の購入が次年度となった.
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