伊藤氏と酒井氏と共に進めている多項式近似に関しての研究では,これまでは実軸全体で考えていたが,ラーゲル型の重みの一般化として半直線上での近似について新たな考察した.半直線上の重み付きの近似理論はこれまでにほとんど研究をされていない.アイディアは半直線の重みを実軸全体の重みの場合に帰着させる方法であるが,いくつかのこれまでに知られていない不等式の評価が重要であり,それらを使ってラグランジュ補間に関するいくつかの新しい結果を得た.
最終年度であり,ポテンシャル論と多項式近似の関係を整理することも兼ねて,8月に静岡で開催された函数論サマーセミナーでの特別講演依頼に応じ「対数ポテンシャルと重み付き多項式近似」のタイトルで発表を行なった.また,昨年度に受理されていた論文「Uniform convergence of orthogonal expansions for exponential weights」が Hokkaido Math. J. に掲載された.
桑原氏と2変数Hardy空間上のいくつかの具体的なToeplitz作用素に関数する不変部分空間の構造を調べ「名城大学理工学部研究報告」に発表した.これは1変数Hardy空間における有名な Beurlingの定理を意識したものであるが,まだまだ不明な点も多い.
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