研究課題/領域番号 |
15K04953
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
宮崎 倫子 静岡大学, 工学部, 教授 (40244660)
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研究分担者 |
泰中 啓一 静岡大学, 創造科学技術大学院, 客員教授 (30142227)
内藤 敏機 電気通信大学, その他部局等, 名誉教授 (60004446)
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研究期間 (年度) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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キーワード | 関数方程式 / 遅延型微分方程式 / 周期系 / 安定性 / 制御 |
研究実績の概要 |
本年度は研究計画として,以下の2点を挙げていた: P1)制御ゲインに対する可換条件を排除した場合の安定化条件の導出. P2)遅延時間に誤差を持つDF制御方程式の周期解の存在証明への手掛かりの模索. これらを明らかにすべく取り組んだ.以下の4つの課題について取り組んだ. P1)については,Fiedler et. al.(PRL 98, 2007)で取り上げられたモデルを参考に,解析の可能性を試みている.一方で,離散系に対するDF制御法,特にechoタイプのDF制御に対して,連続系と同様の議論展開によりゲインに可換条件を付したC-map定理が得られる(RIMS講究録No.1702)ことが分かっているが,この場合に可換条件を排除した解析も検討してみることとした.P2)に関連して,非線形摂動項を含む周期系発展方程式の周期解の存在と解の表現を与え,投稿中である.これらの結果をP2)へつなげる見通しは今のところ立っていない.そこで,平均加法をはじめとした摂動法の適用も検討中である.特に,今年度研究計画として取り上げていなかったが,単位行列の実数倍をゲインとするDF制御法により,周期解の安定化が可能となる制御前の特性乗数の必要十分条件を導出し,得られた結果から特性乗数が実数でない場合についても安定化が可能であることを具体例から明らかにした.また,安定化可能なゲインの必要十分条件の証明にも取り組んだ.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
P1)については,予想していた通り計算テクニックでは行き詰まりがあり,新たな視点として,離散系と対比させるということに取り組み始めた. P2)については,当初からH28も継続して行う予定である.
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今後の研究の推進方策 |
H27年度に取り組み始めたが,研究計画として,新たに離散系で解析してみることを追加する.それ以外は,当初の計画に従って進めていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
交付内定が10月だったため,共同研究者との打ち合わせのための出張計画が遂行できなかったことによる.
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次年度使用額の使用計画 |
H28年度,特に8月から9月にかけて分担者との研究打ち合わせを集中的に実施する. また,当初の研究計画にはなかったが,7月に実施されるICDEA2016に参加し発表を行う.
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