流体及び電磁流体力学に現れる幾つかの境界値問題を対象に,次の3点の数学的連関を明らかにすることを目指して研究を進めた:(i) 方程式の非線型構造,(ii) 境界条件の設定,(iii) 領域の幾何構造.具体的な研究成果は以下の通りである. (1)非斉次境界条件下の定常MHD方程式の境界値問題に対して,その弱解の存在と安定性を示した.(2)3次元外部領域上のr乗可積分な調和ベクトル場全体のなす空間の,領域位相不変量による特徴づけを与えた.この結果は,外部領域上のHodge分解定理を構築する際の基礎となると考える.
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