研究課題/領域番号 |
15K04973
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
渡邉 宏太郎 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 教授 (30546057)
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研究分担者 |
山岸 弘幸 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (10448053)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 一般化Pohozaev関数 / 定曲率空間 / 一意性 |
研究実績の概要 |
本研究計画は,一般化されたPohozaev関数の構成を通して定曲率空間における非線形楕円型方程式の解の一意性と対応する汎関数の臨界点の非退化性を調べること,及び定曲率空間上でp-ラプラス作用素を含む非線形方程式の変分解の諸性質を探究することであった.本年度は,研究計画最終年度であり,計画の総括及びこの計画の次なる発展への展望が要求されるものである. 実際,研究集会,RIMS共同研究「実領域における常微分方程式研究の継承と革新 」(2017.11)及び「微分方程式の総合的研究」(2017.12)において本研究計画の次の発展につながる内容を報告させていただいた.内容は,n次元球面上の薄い円環領域におけるBrezis-Nirenberg問題の正値球対称解の一意性および非退化性と応用に関するものである. 球面上では,ユークリッド空間上の問題と異なり,塩路氏との共著で2016年に報告した方法でも完全に正値球対称解の一意性を示すことは難しいことを報告した.これに対し,薄い円環上の問題ということを利用すればPohozaev関数を利用する別の方法で,この問題を解決できることを述べた. 応用は,正値球対称解からの分岐解の構成についてである.変分法で解の多重存在を示す場合,ルベーグ空間へのソボレフ埋め込みのコンパクト性の問題から非線形項の指数が制限されるが,ルレイ‐シャウダーの写像度を用いる方法では,そのような指数の制限を受けることはない(変分法の方が空間設定により多様な対称性をもつ解を構築できるが).分岐解を構成する際に,正値球対称解の一意性が果たす役割について述べた. 今後は,正値球対称解の一意性定理の適用範囲を拡げるとともに,分岐解の構成問題への応用を扱って行きたい.
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