研究実績の概要 |
本研究では、組合せ構造をグラフ表現する方法を発展させてその適用範囲を拡げるとともに、その存在性の決定や分類を行うことを目的としている。対象とする組合せ構造は、組合せデザインと誤り訂正符号である。 これまでの研究では適用範囲を 4 を法とする整数の剰余環上の符号をグラフ表現する方法を提案することによりその符号を分類し、互いに擬不偏なアダマール行列の構成を行った。また、複素球面上の 2-符号のある類と関連した交代連立差集合を点の個数が 51 以下の場合に、提案したアルゴリズムにより完全に分類した。また、交代巡回 D-最適デザインについて点の個数が 110 以下の場合に完全に分類した。それから、3 元体上の長さが 21,22,23 の自己直交符号を分類した。 グラフ表現を用いて、実施計画書(研究の目的)に記載した「存在の知られていないパラメータの組合せデザインの存在性を決定する」ことに取り組み、点の個数が30以下の組合せデザインの分類を行った。すでに分類されているアソシエーションスキームと呼ばれるグラフの組を利用して、その自己同型群をもとに組合せデザインの存在性の決定と分類を行った。また、B.V.Shah により定義されている一般化された組合せデザインが距離双正則グラフに対応する場合について研究を行い、ジョンソングラフに対応する組合せデザインの無限系列の存在を示した。 これらの結果をそれぞれ「離散数学とその応用」研究集会と「実験計画法と符号および関連する組合せ構造」研究集会で発表を行った。
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