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2015 年度 実施状況報告書

グラフのラムゼー型問題解決に向けた新手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K04979
研究機関横浜市立大学

研究代表者

藤田 慎也  横浜市立大学, 総合科学部, 准教授 (60424206)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードグラフのラムゼー型問題 / 辺着色
研究実績の概要

本研究の主要目的は,完全グラフの辺を複数の色を用いて着色したときに得られる単色部分グラフの構造を明らかにすることである.この問題はグラフ理論の重要な未解決問題であるラムゼー数決定問題の一般化に相当する多色版ラムゼー型問題であり(色数が2色の場合がラムゼー数の問題設定となる),解決を待たれる難問が山積している.ラムゼー型問題を確率論的手法などで部分的に解決する手法は知られているが,構成的に完全に解く手法は知られていない.本研究では,研究代表者がこれまで積み上げきた研究をさらに発展させることにより,未だ確立されていないラムゼー型問題を解くための構成的証明手法を開発することを目的としている.本研究の方策として,辺着色グラフにおける単色構造の「差異」を把握する研究を研究計画として挙げている.今年度では,その情報収集の一環として,proper-edge-coloringと呼ばれる辺着色の概念により強い制約を設けたstrong-edge-coloringという概念に着目し,その差異についての研究を推進し,一定の成果をおさめることが出来た.さらに,ある種のラムゼー型問題の単色構造を研究する上でグラフにおいて指定した個数の点素な高連結部分グラフに頂点を分割するための次数条件に関する定理が有用であることから,その方向の研究も並行して進めて,これについても一定の成果を得ることが出来た.研究では,国内外の共同研究者と密接に情報交換しながら進めているため,様々な分野の研究を得意とする共同研究者たちから多様なアイデアを提供してもらっており,今後いろいろな方向からラムゼー型問題の解決に向けたアプローチの考案が期待出来ると思う.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要で述べたような研究成果が出ているため,研究は概ね順調に進展していると思われる.

今後の研究の推進方策

研究成果が順調に出ているので,基本的には今の研究計画に沿った方向で研究を進めたい.尚,新しく良さそうなアイデアが浮かんだときには,適宜研究の方向を軌道修正して進めたい.考察対象の問題が研究課題に若干適合していないような問題であっても,グラフ理論の研究進展に役立つ関連内容であればそのような問題解決も並行して取り組んでゆきたい.

次年度使用額が生じた理由

今年度参加予定であった国際会議に投稿した論文が残念ながら不採択となり,その国際会議に参加しなかったため.

次年度使用額の使用計画

前年度に採択されなかった論文を適切な査読付き国際会議に再投稿し,その国際会議に参加する予定である.次年度使用額をそのための旅費として計上する.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Partitioning a graph into highly connected subgraphs2016

    • 著者名/発表者名
      Valentin Borozan, Michael Ferrara, Shinya Fujita, Michitaka Furuya, Yannis Manoussakis, Narayanan N, Derrick Stolee
    • 雑誌名

      Journal of Graph Theory

      巻: 82 ページ: 322-333

    • DOI

      10.1002/jgt.21904

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] From Edge-Coloring to Strong Edge-Coloring2015

    • 著者名/発表者名
      Valentin Borozan, Gerard Jennhwa Chang, Nathann Cohen, Shinya Fujita, Narayanan Narayanan, Reza Naserasr, Petru Valicov
    • 雑誌名

      Electronic Journal of Combinatorics

      巻: 22 ページ: P2.9

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Some results on properly colored cycles in edge-colored graphs2016

    • 著者名/発表者名
      藤田慎也
    • 学会等名
      2016年度日本数学会年会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2016-03-16 – 2016-03-19
  • [学会発表] Highly connected subgraphs of graphs with given independence number2015

    • 著者名/発表者名
      Shinya Fujita, Henry Liu, Amites Sarkar
    • 学会等名
      2015年度応用数学合同研究集会
    • 発表場所
      龍谷大学
    • 年月日
      2015-12-17 – 2015-12-19
  • [学会発表] A New Approach Towards a Conjecture on Intersecting Three Longest Paths2015

    • 著者名/発表者名
      Shinya Fujita
    • 学会等名
      The second Japan-Sino Symposium on Graph Theory, Combinatorics and Their Applications
    • 発表場所
      東京理科大学
    • 年月日
      2015-11-02 – 2015-11-04
    • 国際学会
  • [学会発表] A New Approach Towards a Conjecture on Intersecting Three Longest Paths2015

    • 著者名/発表者名
      Shinya Fujita, Michitaka Furuya, Reza Naserasr, Kenta Ozeki
    • 学会等名
      2015年度日本数学会秋季総合分科会
    • 発表場所
      京都産業大学
    • 年月日
      2015-09-13 – 2015-09-16

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公開日: 2017-01-06  

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