研究実績の概要 |
(1) 複数の符号長を持つ符号重みが3の光直交符号の構成:orbit disjoint という性質を満たす difference packing の集まりを有限射影空間PG(d,2)の直線を用いて計算機により生成した.互いに orbit disjoint な difference packing をできる限り多く見つけることは,より多種な符号長を持つ光直交符号の構成に有用である. 次元d=3から10に対して検証を行い,d=4,6,10 のときは位数が2の有限体上のd+1次の原始既約多項式の数と同数の orbit disjoint な difference packing が存在することを確認した.また,それ以外の次元dに対しては,difference packing から特定のブロックを取り除くことで,d=4,6,10と同様の数のorbit disjoint な difference packingが得られることを示した.この結果は研究集会で発表し,研究紀要として掲載された.
(2) 単一重み光直交符号の構成:研究代表者らの射影平面上でのconicを用いた単一重み光直交符号の構成法に対して,有限射影平面の位数qが小さいとき,符号語数の上限値と乖離がある.新たに符号語を追加することを試み,位数q=3のときは24個のconicが符号語として新たに追加できること,qが4以上のときは新たに追加できるconicが存在しないことを示した.
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