研究実績の概要 |
平成29年度は主として合流型推移をもつ決定過程について考えた。合流型推移とは,ノンシリアル動的計画(Nemhauser, Introduction to Dynamic Programming, Wiley, 1966))で規定されているノンシリアルな(非直列型の)状態推移の一つである.ノンシリアル推移は,その局所的構造から分岐型(Diverging Branch Systems),合流型(Converging Branch Systems),そして分岐・再合流型2種(Feedforward Loop Systems, Feedback Loop Systems)の計4種類に分類されている. 得られた成果は、合流型推移をもつ決定過程問題の定式化と再帰的解法の導出である。これまで、陽に扱われることがなかった合流型決定過程問題を新規に定式化し、再帰的構造について解析した。そして動的計画法による再帰式を与えた。この結果は「合流型推移をもつ決定過程について」とのタイトルで京都大学数理解析研究所講究録に掲載予定である。さらに、3種類の部分問題構成法に基づく再帰式を導き、「Three Recursive Approaches for Decision Processes with a Converging Branch System」として Bulletin of the Kyushu Institute of Technology, Pure and applied mathematics に発表済みである。 なお、「折り紙ユニットによる立体作成問題を通した小中高校生向け理数教室の試行」については、出前講義・大学模擬授業や科学館での講座など計8回(小学生向:6回,中学生向:1回,高校生向:1回)において実施し、小中高校生の数学(算数)への興味関心を高めることに貢献した。
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