| 研究実績の概要 |
ノンシリアル動的計画は、それを構成する4つの型の推移として、分岐型(Diverging Branch Systems)，合流型(Converging Branch Systems)，そして分岐・再合流型2種(Feedforward Loop Systems, Feedback Loop Systems)をもつ。2020年度は、主に確率的推移システム上での合流型推移をもつ決定過程について詳細に分析し、また分岐後再合流型推移(Feedforward Loop Systems)をもつ決定過程に関して研究を進めた。
合流型推移をもつ決定過程を確率的推移システム上で考えた問題に対しては、通常の決定過程とは挙動が異なり、部分問題を順に構成した際、新たに確率変数化する状態変数がある場合とない場合が生じた。この部分問題の厳密な定式化に際しては、記法を工夫することで統一的に表現することを可能とし、部分問題構成のアルゴリズムを与えた。そして、再帰式（こちらは場合分けが必要）を導き出すことに成功した。この結果は分岐型推移をもつ決定過程の基礎を与え、今後の発展に寄与する成果と考える。
また、分岐後再合流型推移をもつ決定過程に対しては、確定的推移システム上での結果を得た。単に分岐する場合や、合流のみを考えた場合と比較しより複雑な状況が想定されたが、分岐型の考え方を拡張することにより、後ろ向きの部分問題の構成法を厳密に与えることを実現し、再帰式による再帰的解法を導き出している。
なお、「折り紙ユニットによる立体作成問題を通した小中高校生向け理数教室」については、2020年度は出前講義や科学館での講座など計９回(小学生向：６回，中学生向：1回，高校生向：２回)において実施し、小中高校生の数学（算数）への興味関心を高めることに貢献した。
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