近年の赤外天文観測などにより、宇宙ダストは宇宙環境の中でアモルファス相(非晶質相)や結晶相などの状態を取ることが明らかになっている。宇宙ダストがどのような状態で生成し、進化するのかは相変化の初期に起こる核生成過程が鍵となる。我々は精度の高い核生成理論モデルの構築を目指し、主要な宇宙固体物質である水の気相からの凝縮核生成の分子動力学(MD)計算を行った。MD計算と理論モデルの比較検討により、半現象論的核生成モデルの妥当性を示し、新たなスケーリング則を提唱した。また気相から固相への相変化のMD計算により、相変化の始めに現れる凝縮核は液相である可能性が示された。
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