クェーサー中心にある降着円盤から輻射圧などで噴き出すガスの流れ(アウトフロー)にみられる時間変動の起源として注目されている「電離状態変動シナリオ」を、その補助機構も含めて観測的に検証した。その結果、アウトフローによる吸収強度がクェーサー光度とリンクしていることや、レンズクェーサーを用いた多視線観測の結果からアウトフローガスが視線間距離よりも小さな構造を持つことなどを突き止めた。これらは自己遮蔽効果を補助機構とする電離状態変動シナリオを支持するものであるが、ガス運動による効果も無視できないことも明らかになった。
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