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2016 年度 実施状況報告書

南アフリカIRSFの可視―近赤外同時化によるSED測定の革新

研究課題

研究課題/領域番号 15K05021
研究機関名古屋大学

研究代表者

佐藤 修二  名古屋大学, 理学研究科, 名誉教授 (50025483)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードTRIPOL:3色同時偏光カメラ / 分光専用球面望遠鏡 / IRSF勉強会
研究実績の概要

1.TRIPOL:3色同時偏光カメラ 3色{gri}カメラを、Lulin 1m望遠鏡に搭載して、星形成領域(NGC1893, IC5146, 他)の3色偏光サーベイを行った。また、種々の変動天体(Be型星、T Tauri型星、Blazar等)の偏光モニターを行った。これらのデータの信頼性を確認するため、台湾中央大学Lulin天文台と共同で様々な較正を行ってきた。2016年秋に、学術雑誌に投稿した結果、却下された。レフェリーのコメント;装置からの偏光誤差Δp<0.3%は確認したものの、気象条件の不安定さによって生ずる誤差の評価が不十分である。納得できる。今後、気象条件と装置起源の誤差を判別する評価を行う。
2.南アフリカ分光専用球面望遠鏡の考察 IRSF 1.4m望遠鏡は、近赤外3色同時撮像として稼働中であるが、分光データの必要性が切望されている。分光には一定の集光力~口径が必要となる。しかし、大望遠鏡を現在の主流である光学系で実現しようとすると、技術・コスト面で常に問題となるのが、サイズの大きい非球面鏡の製作である。そこで、大口径となる主鏡と副鏡を、製作が容易な球面鏡にしようと考えた。主・副鏡の曲率中心を合わせてコマ収差を取り除き、小口径の非球面鏡を用いて球面収差を除去することにより、像の質を補正するアイデアを得た。a. 光学系:新しい光学解の発見 [木野、名大・理、成相] b. 鏡の加工:焼結ボンド#8000 による超精密(約20 nm・rms)研削 [ナガセインテグレックス] c. 鏡の形状の測定:CGH 干渉計による超精密(約10 nm・rms)形状計測 [名大・理] 実際の望遠鏡試作への準備は整った。
3.毎年開催しているIRSF勉強会を2017年3月1日に、その解析講習会を2日に、名古屋大学理学部で開催した。IRSF勉強会出席者35名、解析講習会参加者12人であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

IRSF/SIRPOLによる観測は、順調に進められて、科学面における論文出版は、快調である。他方、可視域の3色同時偏光装置TRIPOLについては、南アフリカ、台湾、韓国に配置して観測を進めようとしたが、実際はほとんど進んでいない。TRIPOLの装置の論文を、昨年秋に、学術誌PASPに投稿したが却下された。レフェリーのコメント;誤差の評価が不十分、については、納得できる。装置からの偏光誤差Δp<0.3%は確認したものの、気象条件の不安定さによって生ずる分が混入しているので、この二つの要素を分離すればクリアできると考えている。

今後の研究の推進方策

1.投稿した結果、却下されたレフェリーのコメント;装置からの偏光誤差Δp<0.3%は確認したものの、気象条件の不安定さによって生ずる誤差の評価が不十分、について。台湾と韓国の較正に平行して、我が国においても、気象条件と装置起源の誤差を判別する評価を行って、再投稿する。装置の較正に関する論文に加えて、これまで蓄積した科学に関する論文投稿を促進する。
2.南アフリカ分光専用球面望遠鏡の考察 a. 光学系:新しい光学解の発見 [木野、名大・理、成相] b. 鏡の加工:焼結ボンド#8000 による超精密(~20 nm・rms)研削 [ナガセインテグレックス] c. 鏡の形状の測定:CGH 干渉計による超精密(~5nm・rms)形状計測 [名大・理] 実際の望遠鏡試作への準備は整った。
3.最終年度にあたる今年度もまとめの勉強会を行う。偏光に関する基本問題:微粒子整列と円偏光の起源に関する討論会を行う。

次年度使用額が生じた理由

該当しない

次年度使用額の使用計画

該当しない

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Magnetic Field of the Vela C Molecular Cloud2016

    • 著者名/発表者名
      Kusune, Takayoshi; Sugitani, Koji; Nakamura, Fumitaka; Watanabe, Makoto; Tamura, Motohide; Kwon, Jungmi; Sato, Shuji
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal Letters

      巻: 830 ページ: L23,L31

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [産業財産権] カセグレン式望遠鏡2017

    • 発明者名
      木野勝、佐藤修二、成相恭二
    • 権利者名
      国法京都大学、清原光学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2017-026942
    • 出願年月日
      2017-02-16

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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