研究課題
1、Herschel衛星によるダスト熱輻射の観測から、 分子雲がフィラメント状の要素からなることが 知られるようになった。 一方で、近赤外線領域の星間偏光の観測からは、 このフィラメントが星間磁場に垂直であることが示された。観測に対応する、垂直な磁場によって支えられた等温ガスの平衡形状(重力と「磁場によるローレンツ力」、圧力、及び、 周囲の星間外圧の力学的釣り合い)を自己無撞着場の方法で計算し、重力に抗して支えられる 最大の線質量を得た。2、力学平衡状態の安定性について磁気流体力学シミュレーションを用いて解析した。(A)初期に正弦波的な密度ゆらぎを加えても、無秩序な密度ゆらぎを加えても、収縮の様子に、収縮に要する時間以外は定性的な差は生じないことが分かった。(B)貫く磁場が強くない場合は、フィラメント方向の揺らぎにある臨界波長が存在し、臨界波長より長い波長が不安定となること、また臨界波長の約2倍の波長が最も不安定となることが分かった。さらに、最も不安定な波長でフィラメントは分裂し、ガスが等温である限り、ほぼ軸対称で、磁場と垂直に伸びて、収縮を続ける擬円盤が形成されることが分かった。(C)一方で、磁場が強い場合、(調査された範囲で)揺らぎが成長しなかった。これから、臨界的な磁場強度を超えると、どのような波長の揺らぎに対してもフィラメントは重力安定であることを示している可能性があることが分かった。3、力を及ぼさない一様磁場と等温軸対称の円柱状密度分布を持つフィラメントの場合、この簡単化された平衡形状の安定性について、線形解析を行った。その結果、磁場が外側境界で固定されている場合は、重力不安定に対して、磁場によって顕著に安定化されることが見られた。一方で、外側境界で電流0の場合、安定化に寄与しない場合があることが分かった。
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