研究課題
本計画は、単独で存在するパルサーからの重力波を探索することを目的としている。2015年からすでに連星ブラックホールや連星中性子星からの重力波が米国に建設されたLIGO重力波検出器によって検出されているが、単独パルサーからの重力波はいまだ検出されていない。単独パルサーからの重力波が検出されれば、未だよくわかっていない、強重力下にある中性子星の内部構造についてさらなる知見を得ることができると期待されている。本計画遂行者は日本の重力波検出計画KAGRAに参画し、データ解析班に所属している。KAGRAの第1段階であるiKAGRA (initial KAGRA)のデータは2015年3月と4月に取得され、その後2017年度までにiKAGRAデータを用いた、電磁波で既知のパルサーについての連続重力波探索をおこなった。iKAGRAはまだ設計感度には到達していないため、単独パルサーからの重力波の検出にはおよばなかったが、解析パイプラインの整備の点で成果が得られた。さらにiKAGRAデータを用いたノイズ棄却方法についてのLIGOの公開データを用いた研究をおこない、線ノイズ除去について一定の成果を得ることができた。2017年度はKAGRA計画の第2段階であるbKAGRA (baseline KAGRA)の運転成功に向けて活動をおこなった。2017年度はKAGRA研究グループ全体としての成果として1本の査読論文を出版している。
3: やや遅れている
2017年10月より東京大学から大阪市立大学に移動した。移動にともなう諸事情により研究はやや遅れている。
現在(2018年春)におこなっているbKAGRA検出器の運転は順調であり、現在bKAGRAデータの解析をおこなうための準備を進めている。2017年度に多少の遅れがあるが、研究計画に変更なく推進していく予定である。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
Progress of Theoretical and Experimental Physics
巻: 2018 ページ: 013F01
10.1093/ptep/ptx180
Proceedings for XV International Conference on Topics in Astroparticle and Underground Physics (TAUP2017), Sudbury, July 24-28, 2017
巻: 1 ページ: 1