データ解析などデータ検出後の工夫によって重力波検出器の雑音を除去し、感度が10%良くなったとすると、期待される検出イベント数は30%増える。もし30%の感度向上をハードウェアの改修で実現しようとすると、かなりのリソース(建設・労働時間と資金)が必要である。すなわち、データ解析側の工夫によって感度向上を実現できれば、重力波天文学・天体物理学へのかなりの貢献となる。いまのところ感度にして1%程度の改善や時間・周波数領域における局所的な改善にとどまるが、アメリカの重力波検出器プロジェクトに比べて予算規模が10分の1に満たない日本のプロジェクトにおいては、追求すべき課題であると信じる。
|