ハドロン輸送模型に状態方程式の強いソフト化を取り入れることにより、重イオン衝突での負のフローが10GeV近辺の衝突エネルギーで現れうることを示した。RHICにて測定された陽子の側方フローの傾きは10GeV近辺で負となり、より高い衝突エネルギーで再び上昇する。負のフローが現れるエネルギーはハドロン自由度では説明できず、ビリアル定理に基づいて状態方程式の強いソフト化を取り入れれば説明できることが分かった。このソフト化は核物質密度の(5-10)倍でQCD相転移が起こるとすれば理解可能である。また他の集団フローを組み合わせて相転移からのソフト化とハドロンの平均場効果が判別可能であることも示された。
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