本年度は最終年度を延長し、研究を継続した。特に、イタリアナポリグループとの共同研究が主目的である。昨年度までに日本における新型光検出器の性能確認はほぼ終了しており、本年度は同様な光検出器サンプルをナポリグループに送り、彼らの試験システムによってシングルフォトン検出効率及びその印加電圧との関係、量子効率の測定を実施してもらうことである。彼らの結果は我々のシステムとまったく異なることから独立した二つの実験的検証結果を得たことになる。お互いの測定結果と比較し、より深い理解及び開発点を探ることが可能となった。 両者の結果は矛盾なく、我々の測定結果の信頼性が確認できたことが大きな成果である。特に量子効率の測定では、測定装置がことなることから若干の違いがでることが予想されたが、二つの結果はほぼ同様であり、今後の実験に大きな自信となった。 この共同研究がきっかけとなり、今後も可能なかぎり新型の光検出器の開発について情報共有し、成果をあげていくことが確認できた。これは今後の新たな展開となり得ると考える。
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