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2016 年度 実施状況報告書

印刷技術を用いた飛跡検出器用集積回路高密度実装技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K05114
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

庄子 正剛  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准技師 (50646718)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード印刷技術 / 高密度実装技術 / 集積回路 / 2次元マイクロパターン検出器
研究実績の概要

本研究の目的は印刷技術を用いた集積回路実装技術を開発することである。
印刷技術を用いて2次元マイクロパターンガス検出器のマイクロパターン電極と集積回路を同一基板じ上に実装する。読み出し集積回路一体型2次元マイクロパターンガス検出器開発に向けた実装方法の原理検証を行う。本研究の研究要素しては、集積回路(以下ICチップ)の加工と高密度実装が可能な印刷技術の選択がある。昨年度は、高密度実装技術検証用に加工したICチップと配線を印刷した粘着シートを用いた新しい実装方法の試験を行った。
使用するICチップは大きさが5mm x 5mmでる。加工する前の厚さは約400umで、加工後の厚みは60umである(この厚みは、通常のコピー用紙よりも薄い)。
これまでの検討によりディスペンサーやスクリーン印刷等の印刷技術ではICチップ側面に直接電極を描画することが難しい(基板に対してICチップ側壁は垂直となるため)ことが分かった。これを解決するために配線が印刷された粘着シートをICチップの電極と基板電極間に貼り付けて導通をとる方法を選択した。
この粘着シートは、粘着面上にスクリーン印刷で微細電気配線を描画したものである(配線が印刷されたシールのようなもの)。印刷された配線には粘着力はないが、配線部以外の粘着面がICチップや基板の配線以外の部分と張り付き、接続を担保する。
また、ICチップの加工のほかに関連学会であるエレクトロニクス実装学会や関連技術の展示会に参加し、最新の印刷技術やICチップ実装技術について情報を集めた。特にウェアラブル機器が目覚ましく進展している。ウェアラブル端末は人体に貼り付けるため伸縮性をもつ導電性ペーストが使用されている。このような伸縮性のある導電性ペーストを我々の研究に応用し試験することを次年度に行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

ICチップと実装基板専用の配線付き粘着シートを作成し実装試験を行った。
使用したICチップは5mm x 5mm,厚さ400umと60umである。実装はICチップの電極を上向きで行う。
ICチップ実装専用の試作配線付き粘着シートを用いて実装試験を行った結果、実装の課題が判明した。配線付き粘着シートで400um(もしくは60um)厚のチップと基板パッド間を接続する場合、三角形の斜辺が配線付き粘着シートに相当する。このとき、チップの角が配線付き粘着シートの印刷配線を断線させ、導通が取れなくなる。チップの角が鋭角であることが問題であり、これを解決するために導電性ペーストを収縮性のあるものにし、配線厚もこれまでは7umだったものをより厚くし、断線に対する強度を高める。ICチップや評価基板は前年度までに作成済みである。今年度は改良型配線付き粘着シートを作成し、実装と評価を行う。

今後の研究の推進方策

本年度は、前年度に行った実装試験で問題となっていた印刷配線の断線対策として伸縮性導電性ペーストを用いた実装を行う。前期はこの実装と性能評価結果を国内学会で発表することを目標にする。後期は実装評価で得られた結果をもとに、ICチップの実装密度を高める実装技術の原理検証を行う。具体的にはマルチチップモジュール化やICチップを縦に積層する実装方法(2Dや3D実装といった半導体実装技術)を印刷技術で行うための原理検証を行う。

次年度使用額が生じた理由

昨年度の実装試験によって判明した課題を解決するために、新しいスクリーン版と配線付き粘着シートの作成に使用する。具体的には、スクリーン版の制作費と伸縮性導電性ペースト、粘着シートの購入費が必要となる。昨年度の研究進捗から次年度に上記のスクリーン版と配線付き粘着シートを作成することとした。

次年度使用額の使用計画

次年度使用額は、昨年度判明した問題を解決するためのスクリーン版と配線付き粘着シートの作成に使用する。この実装用のスクリーン版は数種類作成することになる。また、新しいスクリーン版の内、ICチップのマルチチップモジュール化やICチップを縦に積層する実装方法の検証にも使用する。

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公開日: 2018-01-16  

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