最近、従来のSi(100)面に加えてSi(110)面が立体型半導体デバイスに利用されるようになってきた。しかし、その基礎物性に関する研究は、ほとんど行われていない。本研究ではバルクSi(110)面の電子状態の解明を目的とし、我々のグループで開発した高品位な水素終端Si(110)-(1×1)表面を用い、高分解能角度分解光電子分光法によるエネルギー分散の測定、密度汎関数法による第一原理計算を行い、実験と理論の両面から電子バンド構造を明らかにした。更に、電子及びホール移動度の評価、表面フォノン分散やエッチング過程の解明等の発展的研究も実施した。
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