本研究では、膜厚1μmに至るまで位相緩和定数が0.2 meVを下回る単結晶CuCl薄膜作製法を確立し、CuClとZnOの高品質膜に対して測定した非線形スペクトル及び励起子輻射緩和特性ではいずれの試料においてもスペクトル形状・輻射緩和時間が重心運動の閉じ込めによって波動性が顕現した励起子波と光波の長距離結合に関する理論計算と一致していることを確認した。また、光カー効果測定より求めた非線形屈折率は、光と励起子の結合が強まる膜厚の試料においては高速カー媒質として良く利用される石英よりも4桁以上と桁違いに大きな光学非線形性を示すことに成功した。
|