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2017 年度 実績報告書

マグノン超流動の観測に向けた微小試料熱伝導およびマグノン流測定デバイスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K05147
研究機関大阪府立大学

研究代表者

小野 俊雄  大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40332639)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード微細加工 / スピン輸送 / 熱伝導率
研究実績の概要

本研究は,物性測定の中で比較的困難な熱伝導率測定を,サブミリメーターサイズの微小な結晶でも簡便に行う事を可能にする熱伝導率測定プローブを,微細加工技術により開発する事が主要な目的の一つである。最終年度である平成29年度には,28年度までに製作していた試作プローブの改良と測定手法の開発を進めるとともに,文献地の存在する参照試料を用いた性能評価を進めた。
まず,測定プローブの改良については,微細加工により製作している信号配線が断線してしまう不良が多く発生していたため,フォトリソグラフィーの条件を見直す事でこの不良の削減に取り組んだ。その結果,5%程度にとどまっていた最終工程での歩留まりを,70%弱まで向上することができるようになった。
また,これまで使用していた市販の抵抗測定システムに組み込まれているヒーター電源の電流の分解能が,100μAであったために,試料の熱容量が小さい場合には,最低の電流でもヒーターを焼損してしまう問題があった。この問題については高分解能で入力電流を制御できるソースメーターを用いることで解決できた。
29年度後半は,改善された測定プローブを用いた性能評価を進めた。低温で熱伝導率が急上昇するような単結晶試料を用いた測定から,熱伝導率に試料の断面積をかけた量が2 x 10^-7 Wm/K程度までは文献値をよく再現する結果が得られる一方,それ以上に熱伝導が大きくなると文献値を下回る結果となることがわかった。これは,プローブの微細化に伴って,試料の温度勾配を検出するセンサ間隔が狭くなったために,熱伝導率が大きくなる局面で試料中の温度勾配が減少し,測定分解能の限界に達したためであると考えている。一方で,低温で熱伝導率が単調に減少するガラスの熱伝導率を測定したところ,室温から2Kまでの広い温度範囲で文献を良好に再現する結果が得られた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Spin-1/2 Quantum Antiferromagnet on a Three-Dimensional Honeycomb Lattice Formed by a New Organic Biradical F4BIPBNN2017

    • 著者名/発表者名
      Amaya Naoki、Ono Toshio、Oku Yuta、Yamaguchi Hironori、Matsuo Akira、Kindo Koichi、Nojiri Hiroyuki、Palacio Fernando、Campo Javier、Hosokoshi Yuko
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan

      巻: 86 ページ: 074706~074706

    • DOI

      https://doi.org/10.7566/JPSJ.86.074706

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Magnetization Process of the S = 1/2 Two-Leg Organic Spin-Ladder Compound BIP-BNO2017

    • 著者名/発表者名
      Nomura Kazuya、Matsuda Yasuhiro H.、Narumi Yasuo、Kindo Koichi、Takeyama Shojiro、Hosokoshi Yuko、Ono Toshio、Hasegawa Naoya、Suwa Hidemaro、Todo Synge
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan

      巻: 86 ページ: 104713~104713

    • DOI

      https://doi.org/10.7566/JPSJ.86.104713

    • 査読あり
  • [学会発表] 微小試料用の熱伝導率測定装置の開発と性能評価2018

    • 著者名/発表者名
      柴田尚樹,堀口元成,高橋直貴,小野俊雄,山口博則,細越裕子,村上修一,佐藤和郎,四谷任
    • 学会等名
      日本物理学会 第73回年次大会
  • [学会発表] ボンドランダムネスをもつS=1/2 二次元フラストレート磁性体混晶系Cs2CuCl4-xBrx,x=3.4の動的構造因子2018

    • 著者名/発表者名
      小野俊雄,飯田一樹,古府麻衣子,河村聖子,中島健次,長谷川舜介,益田隆嗣,山口博則,細越裕子
    • 学会等名
      日本物理学会 第73回年次大会
  • [学会発表] 三次元ハニカム格子磁性体の低温物性2017

    • 著者名/発表者名
      太田善彦,山口博則,小野俊雄,細越裕子,木田孝則,萩原政幸
    • 学会等名
      日本物理学会2017年秋季大会
  • [学会発表] 微小試料用の熱伝導率測定装置の開発2017

    • 著者名/発表者名
      柴田尚樹,堀口元成,高橋直貴,小野俊雄,山口博則,細越裕子,村上修一,佐藤和郎,四谷任
    • 学会等名
      低温工学・超電導学会 若手合同講演会

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公開日: 2018-12-17  

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