本研究では,微細加工技術を利用した熱伝導率測定プローブの開発を中心にして,大型の単結晶育成が困難な物質に向けた微小結晶用の熱伝導率測定系の開発を行った。プローブは,Si基板上にSiO2/Si3N4多層膜を成膜した後,温度センサや信号線などをパターニングし,センサ周辺部の基板を深掘りエッチングにより取り除くことによって作成した。このようにセンサ周辺の基板を取り除くことで,試料に印加した熱の流出を防ぐことができる。研究期間中には,このようなプローブ自体の開発の他に,プローブへの結晶の接着手法や,外部微小電流源を使用したヒーター制御方法の開発など,システム構築に必須な要素を実現することができた。
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