磁場中の超伝導体のダイナミクスは、超伝導の弱いところ、位相欠陥の性質で決まっている。超伝導の場合、位相欠陥は量子化された磁力線であり、それは超伝導電流の渦巻く中心=量子渦でもある。外部磁場の下に置かれた超伝導体の多くは内部に磁束量子を多数含む状態にある。そのとき外部電流を流したときに電気抵抗がゼロになるか有限になるかは磁束量子=量子渦の運動によって決まる。流体中の渦にはマグナス力が働き、磁力線にはローレンツ力がかかる。超伝導の量子渦の場合には、1960年代から長らく論争が続いていた。本研究では両者の合力のみが超伝導の量子渦にかかる力として物理的意味を持つことを見出した。
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