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2017 年度 実施状況報告書

さまざまな振動数依存性を考慮した超伝導集団励起運動の包括的な理論研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K05183
研究機関国際基督教大学

研究代表者

平島 大  国際基督教大学, 教養学部, 教授 (20208820)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード超伝導集団励起 / 強結合超伝導 / 振幅モード / 低次元超流動 / 位相スリップ
研究実績の概要

外部磁場の下で、シングレットおよび非ユニタリー状態を含むトリプレット超伝導状態における振幅モードと外部摂動の間の結合を研究した。振幅モードと外部摂動の間の結合は、系の時間反転に対する対称性に依存する。したがって、外部磁場の下では振幅モードと外部摂動が結合することが期待される。実際の計算の結果、結合は磁場の4次に比例することが確かめられた。これは実際の超伝導体では、大きな効果をもたらさないが、一方、中性フェルミ原子における超流動状態において有意な結果をもたらす可能性がある。
強結合超伝導状態における振幅モードに関する研究を進めた。引力相互作用の振動数依存を考慮しつつ、超伝導集団励起の理論形式を発展させることに成功した。適当な強結合超伝導モデルを用いて集団励起モードを研究し、強い散乱効果に関わらず、振動モードは十分に残ることを見出した。また、興味深い発見として、外部摂動と振幅モードの間に、有効相互作用の振動数依存性を通して、ダイナミカルな結合が生じることが分かった。現在調べているモデルにおいては、この結合を通して、十分観測にかかるような大きな効果がもたらされることは確認されていないが、さらなる研究の価値ある課題である。
流体力学的な領域における振幅モードの振る舞いについても研究を進めた。超伝導転移温度より離れた低温度領域では超伝導振幅は保存量でなくなるので、その流体力学的モードは存在しない。超伝導転移温度直下における流体力学的振幅モードの観測可能性についてはさらなる研究が必要である。
準1次元系における、位相スリップの効果が抑制された状況における超流動密度に関して、主要な数値計算は終え、現在は、スケーリング解析を進めている。たとえば、フィルム状の系では、位相スリップを抑制した場合、超流動密度は1次元極限でもKT転移する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画に従い研究を進めてきたが、十分に肯定的な結果が得られておらず、まだ、成果の出版に至っていない。一方、振幅モードの問題をもう少し広い視点から考える必要が明らかになってきており、既存の計画に収まらない問題も生じてきている。

今後の研究の推進方策

強結合超伝導における振幅モードの研究に関しては一定の進展が得られている、これを完成させて論文を出版する。また、低次元超流体に関する研究もほぼ計算結果はそろっているので、データ解析を完成させ、論文として成果発表する。また、成果に関して海外の研究者と議論、意見交換し、今後の発展へとつなげる。

次年度使用額が生じた理由

十分に肯定的な結果がまだ得られていないので、論文出版、成果発表につながっていない。このため予算使用が進んでいない。今年度に、論文発表、海外出張も含め、成果発表に予算使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] ICU研究者情報データベース

    • URL

      https://researchers.icu.ac.jp/icuhp/KgApp?kyoinId=ymigygosggo

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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