研究課題
液体カルコゲン(Se、Te)混合系の半導体―金属転移および、液体水銀の金属―半導体転移に関して、構造変化と電子状態変化の相関について研究を行った。液体カルコゲン(Se、Te)混合系の半導体―金属転移については、以前から行ってきた原子の存在しない空隙(void)の半径・分布を用いた研究に引き続き、新しく三角形構造ユニットを用いた構造解析法を展開した。これにより、隣接する他の原子鎖に影響されることなく構造の特徴を解析できるようになった。また、新しく原子鎖の形態を分析するために通距離の原子間距離の詳細解析を行った。これにより、上記の解析結果を裏付ける結果を得た。これらの成果は国際会議(LAM16)で発表し、論文として公表している。液体水銀の金属―半導体転移に関して電子状態を量子計算により解析している。温度上昇による構造変化に伴って電子状態の変化および波動関数の局在化についてこれまでの構造モデルと対応した結果を得ている。これについては、論文として発表予定である。このほか新しい実験方法として蛍光X線ホログラフィーの解析を試みている。今のところ、結晶試料のデータへの逆モンテカルロ法の適用を進めている。現状では、液体などの不規則系への適用は難しい状況であるが、計算速度の向上が進めば液体の3次元構造の直接計算が可能になると考えている。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件)
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巻: 151 ページ: 01003
https://doi.org/10.1051/epjconf/201715101003