本研究では液晶電気対流系を用いて外部ノイズによる対流パターンの影響を調査し,以下のような成果が得られた. ①カラーノイズの外部特性時間(カットオフ周波数fc)を考慮し,これまでのホワイトノイズ(fc→∞)による対流発生閾値の理論を修正すると,実験結果が説明できる.②その外部特性時間が長い場合,修正した理論からずれるが,液晶系の内部ノイズ(液晶の熱ゆらぎ)を磁場で制御するとそのずれが抑えられる.③逆確率共鳴という珍しい現象が発見された.これは,ある適切な外部特性時間をもつカラーノイズによってのみ現れる.④欠陥の出現や運動の影響を排除した1次元対流系で進行波におけるノイズの影響が明らかになった.
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