ダイラタント流体は、小さな外力に対しては流体のように振る舞い、大きな外力を加えると急激に固化する。その粘稠化における流体のマクロな内部構造やメカニズムはよくわかっていない。本研究ではテイラー・クウェット型の流れについて、数値計算と実験をおこない、粘稠化時の流体内部での粘度と圧力の空間分布を初めて明らかにした。特に圧力は、変形によって引き伸ばされる方向と圧縮される方向についてそれぞれ負圧と正圧を示し、負圧が支配的であることがわかった。正圧が外力に比例するのに対して、負圧は粒径を特徴長さにとったラプラス圧を超えない。このことから、粘稠化には間隙流体の表面張力が重要な役割を担っていることがわかった。
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