赤血球は血漿中もしくはある種の高分子存在下で面と面を合わせた連銭と呼ばれる可逆的な集合体を形成する.生体内での赤血球集合の亢進は血流に大きな影響を与える。連銭の形成については,高分子が赤血球間を架橋する「架橋集合」と高分子が赤血球間から排除される「枯渇集合」の競合する二説があり,未だ解決されていない.本研究は赤血球-フィブリノゲン間の相互作用を水晶振動子マイクロバランスを用いて直接測定し,連銭形成のメカニズム解明を目指した.赤血球とフィブリノゲン間には相互作用が認められ,架橋集合を示唆する結果が得られた.
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