マイクロレオロジーという新しい実験手法の開発とともに、細胞のレオロジーに関する知見が、世界的に大きく広がりつつある。本研究では、細胞のレオロジーが示す普遍性を理解するために、不均一系や非平衡系にも適用できるマイクロレオロジーの基礎理論を、ソフトマター物理学や非平衡物理学に立脚して構築した。それと同時に、生体膜を含む細胞系に適した新しいMRの手法を確立した。具体的には、(1)生体膜MRの基礎理論の確立、(2)多成分媒質中のアクティブMRの定式化、(3)MRによる非熱的ゆらぎの検出法の考案、の三つの研究成果を得ることができた。
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