熱産生のしくみの理解を目的に、熱産生を1細胞レベルの温度変化として計測しようとする温度計測技術の開発と応用が進められているいっぽう、マクロスケールで測られる値と、細胞を均一な水とする単純化したモデルとを用いても、1細胞を対象としたこれまでの報告が説明できない。我々はこれを「10の5乗ギャップ問題」と名付け、計測における技術的な問題点の可能性、および単純化したモデルにおいて決定的に欠けている要素を、実験とモデルの両方向から議論してきた。本研究ではこの10の5乗ギャップの所在を明らかにすることを目的とし、細胞内に特有の環境は希薄な水系と異なるかどうか、実験的に確かめることを目的として研究を行った。
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