非イオン性界面活性剤水溶液における「ずり粘稠化」の原因として「座屈メカニズム」が信じられていたが、実験的に検証した例はほとんどなかった。そこで今回、ポリオキシエチレンC12E5の10%水溶液にイオン性界面活性剤SDSや拮抗的塩RbBPh4を加えることにより膜間相互作用を変化させて、膜の曲げ弾性率κと体積弾性率Bの変化を調べた。この結果、電荷量の多い組成ではラメラ構造の面間隔に変化がなかったのに対して、電荷量の少ない組成ではずり流動場の増大に対して増加する傾向が見られた。これらの結果により、膜間相互作用と膜の揺らぎのオニオン形成に対する影響を明らかにするとともに、座屈メカニズムを検証できた。
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