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2016 年度 実施状況報告書

地震活動に基づく浅部プレート境界の摩擦特性推定のための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K05259
研究機関東北大学

研究代表者

矢部 康男  東北大学, 理学研究科, 准教授 (30292197)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードAE活動 / 断層摩擦
研究実績の概要

花崗岩試料を用いた摩擦すべり実験を室内条件で行った.実験では,7台のAEセンサーを試料表面に貼り付けてAE計測を行った.AEセンサーの出力は,アンプにより増幅した後,サンプリングレート10MS/sで連続収録した.AEセンサーの出力と共に,試験機のピストンの位置や載荷速度の制御信号等も同一のシステムで収録し,力学データとの同期をはかるようにした.
断層の接触状態の変化に伴い,摩擦強度やAE活動がどのように変化するのかを調べるため,実験中,断層のすべり速度を一定の変位量間隔で階段状に変化させた.D/A変換器により,載荷速度を制御するための信号をサンプリングレート1kS/sで出力したが,信号出力に不規則な変動が見られた.制御用PCから変換器へのデータ転送が追い付かなかったためと思われるので,今後は,サンプリングレートを下げて実験を継続する.
AE連続波形から,自動処理でイベントの検出を行った.波形処理に予想以上の時間がかかり,一部のデータしか解析できていないが,すべり量2.5mmで2400個余りのイベントを検出することができた.
制御信号の出力の不規則な変動が少なかった部分を用いて,断層のすべり速度を階段状に変化させた時のAEの応答を調べた.暫定的な解析では,すべり速度の増加または現象に伴い,AE発生レートも増加または減少するが,定常状態に達するには一定の変位が必要であるように見える.今後,この変位量が,摩擦強度の遷移に要する変位量とどのような関係にあるのかを調べる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

AE連続波形と力学データを同期するため,D/A変換器の出力をバイナリコード化して出力し,AE計測システムと力学データ収録システムの両方で収録していたが,載荷条件を正常に判定できない事例がしばしば発生した.当初,電気的なノイズの影響を疑い,様々な対策を施したが解決せず,原因究明に時間を費やした.最終的に,制御用PCからD/A変換器へのデータ転送速度の問題であることが判明し,D/A変換のサンプリングレートを下げることで解決した.
AE連続波形からイベントを検出するための処理に予想以上の時間がかかり,実験で得られた波形データの処理が終わっていない.

今後の研究の推進方策

AE連続波形をより速やかにデータ処理できるよう,解析プログラムの改善をはかる.
引き続き実験を行い,データを蓄積する.
環境を制御した実験を行い,室内環境での結果と比較する.

次年度使用額が生じた理由

制御信号発生用D/A変換器の不調およびAE連続波形処理に要する時間が予想以上であったこと,所属センターの増築に伴う電気工事により,一時期,実験室が使えなかったこと等による.

次年度使用額の使用計画

AE連続波形処理以外については問題が解決した.波形処理プログラムの改良と並行して,実験を行う.必要であれば,波形処理用のPCを新規に導入するして,データ処理を進める.

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公開日: 2018-01-16  

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