白亜紀のプレート境界の痕跡と考えられている北海道トラフとノバ・カントントラフ・リフトシステムにおいて、海底拡大過程に起因する地形的構造の詳細な記載、磁気異常縞模様の同定、反射法地震探査記録の解釈をおこなった。その結果、北海道トラフは太平洋プレートがシャツキーライズ形成終了後の白亜紀中期に分裂した痕跡であることが判明した。一方、ノバ・カントントラフ・リフトシステムはオントンジャワ海台を形成したマントルプルームの活動が低調になった後に形成したことが明らかになった。これらの結果は、白亜紀中期の太平洋においてマントルプルーム活動度の変化がプレート境界の再配列を起こした可能性があることを示唆した。
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