環太平洋地域の下部マントルSP散乱体の分布に関してこれまでの観測結果をまとめ深さ方向の散乱体存在頻度を示した。その結果1800kmを超える深さのSP散乱体は極めて少ないこと、および1500~1700km近傍に顕著な散乱体を検出する事例が多いことが分かった。またトンガ・フィジー地域に注目してSP散乱対分布について詳細に調べ散乱体の形状や規模について始めて制約を与えた。さらに南米ペルー下の深さ1700kmにおける顕著なSP散乱体についてその形状と弾性波速度の異常を見積もり、10%程度低速度の玄武的物質からなる厚さ10km程度のシート状の形状であることを示した。
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