研究課題/領域番号 |
15K05293
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
岡本 幸三 気象庁気象研究所, 台風研究部, 室長 (40584660)
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研究分担者 |
石橋 俊之 気象庁気象研究所, 台風研究部, 主任研究官 (30585857)
石井 昌憲 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所リモートセンシング研究室, 主任研究員 (70359107)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 衛星搭載ドップラー風ライダー / データ同化 / 観測システムシミュレーション実験(OSSE) / 数値予報 |
研究実績の概要 |
初年度で同化システムの構築、2010年8月を対象とした同化実験の実施、シミュレーションデータや同化結果の検証ツールの作成・実施などを行い、初期値に対して検証した予報精度が改善することを確認してきた。 今年度は、本研究で作成した疑似真値場(高精度解析場)に対する検証を実施したところ、予報を改悪することが分かった。そのため、他の風観測との比較を行いながら、観測誤差の調整、品質管理の厳格化などを行い、予報改善を得た。また2010年1月を対象とした同化実験を行い、8月実験との結果の違いを調べた結果、雲・エーロゾル分の季節依存性などにより、現在の設定においては1月実験のほうが改善が大きいことが分かった。さらに熱帯軌道衛星と、全球軌道衛星に対して、予報インパクトのの違いを調査し、いずれも予報を改善することが分かった。なお熱帯において、2日予報までは熱帯軌道衛星が、それ以降は全球軌道衛星が予報改善度合いがより大きいことが分かった。 これらの結果について論文を執筆した。2017年3月末の時点では、英文校閲を依頼したところ。また関連する論文として、ライダーや衛星を記述したものと、ライダーシミュレータをテーマとしたものの2部を投稿し、現在改稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
様々な検証方法を開発する中で問題も見えてきたが、データ特性の詳細な調査や同化システム改良を行うことによって、期待下通りの結果(数値予報精度の改善)が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、データ特性調査や、同化システムの改良を行い、更なる数値予報精度の改善を目指す。その際に台風進路予報などの検証も行う。観測システムの調整(水平・鉛直分解能の変更など)と予報精度との関係について調査する。論文を投稿し、今年度中の受理を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度予定していた論文執筆を次年度に移したため
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次年度使用額の使用計画 |
論文の英文校閲及び出版費として使用予定
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