研究課題/領域番号 |
15K05299
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
谷田貝 亜紀代 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (60353447)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 熱圏 / 中性風 / フレア |
研究実績の概要 |
H29年度は、他の大型外部資金の中間評価の年であり、弘前大学は2年目だが大学院講義や新入生のゼミ、学内の会議など、新しく担当することもあり、多忙で本研究にほとんど時間を割くことができなかった。しかしながら、H28年度に出版した論文の読者からのメールをいただいて意見交換を行う機会があった。FPIによる熱圏の中性風の気候値についての研究発表例は、アジア地域では希少なため、その特徴と別の経度帯との比較を行うことや、データの利用について、意見交換をした。FPIは、データ利用前に、丁寧な品質管理が必要であり、それに時間をさける研究者が少ないため、Yatagai and Oyama (2016)で示した例はモデル評価の点でも重要と認識された。FPI観測に携わる研究者は世界でも数えるほどしかないため、欧米の研究者によるproposal審査に携わることにもなり、データ観測元に観測手法などについて意見交換することにもなった。また、別経費により参加した国際会議で、本研究に密接に関係する論文(太陽側のフレア爆発位置と、極端紫外線についての関係など)の執筆者(米国NCAR勤務)にはからずも遭遇した。太陽フレア爆発の影響を超高層大気観測データに基づいて調べている本研究について、AGUなどでの既存の発表成果スライドを元に意見交換した。上記既に発表論文のPDFファイルも渡したところ、FPI観測の有用性や、イベントの分析に統計的性質がわかった気候値を用意している本アプローチは重要だとの共通認識をもつことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
H27, H28年度の報告に記載したように、本研究のきっかけとなった研究組織において蒙った精神的被害により、遅れが続いていた。H28年度は、共著者の助けにより論文の出版にこぎつけることができたが、H29年度は、その共著者も衛星プロジェクトや本来の研究で多忙となり、自分も他の大型資金と教育で多忙のため、当該研究をほとんど進めることができなかった。 また、応募書類執筆時は定職についておらず、6月に米国で開催される講習会などに参加を予定したが、H28、H29年度とも、弘前大学での授業などのため、この時期の出張は大変難しかった。
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今後の研究の推進方策 |
延長を認めていただき、H30年度に続けて実施できることになった。H30年度の担当学生5名のうち2名が、本研究に関連したテーマを扱うことを希望したため、一緒に勉強をはじめている。その卒業論文を投稿論文にするには時間が足りないが、当方でこれまで得ている結果の論文投稿には、早めに着手したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
H29年度もH28年度につづき多忙により、ほとんど研究計画を実施できなかった。しかし購入したノートパソコンを持ち成果発表と意見交換を行った国際会議は有意義であった。3回の国際会議(日本、シンガポール、ケープタウン)出張旅費を、他経費でカバーできたこと、当初予定した6月米国のワークショップには大学用務のため出張できなかったことが、H30年度に繰りこす金額が多くなった理由である。使用計画は、データ整理のアルバイトもしくは外注、初年度に購入したノートパソコンの液晶が壊れたために修理もしくは新規購入、論文投稿のための英文校閲および論文投稿を予定している。12月のAGU会議(1件しか発表できない)に、本テーマか別の課題での申請を考えており、その出張費用の一部を本予算から支出する可能性がある。
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