研究課題
エルニーニョ南方振動(ENSO)とは、赤道太平洋の海面 水温が数か月- 数十か月にわたって上昇または下降する地球規模での自然現象である。ENSO は顕著な気候変動をもたらすだけではなく、400km以上の超高層大気へも影響を及ぼしていることを本研究で46年の衛星観測の分析からわかった。さらに、数値シミュレーションによって、 そのテレコネクションを果たすのは気候に左右される下層大気潮汐であることを明らかにした。エルニーニョにおける大気上下結合発見とその物理機構を解明することで、全球的な大気結合を理解するために重要な意味がある。2016年に過去50年間にわたる5000機を超える衛星 軌道解析から、熱圏密度 4-6年周期 変 動 成 分 を 持 つ こ と を 発 見 し た 。さらに、ENSO気候変動や太陽活動と総合解析により、その変動成分ENSOによるものである可能性が極めて高いことを示した。その物理過程を定量的に検証する第一歩として、2017年に大気圏・電離圏結合全球モデル GAIAで21年間にわたるシミュレーションを行った。その結果、ENSO期間中降雨パターンが変化することにより対流圏水蒸気 全球分布が変化し、超高層大気まで伝搬する大気潮汐波を著しく変動させたことが明らかになり、対流圏と超高層大気と結合を理論的に裏書付けた。(アメリカ地球物理学会と日本地球惑星科学連合大会でハイライト。)
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 7件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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