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2015 年度 実施状況報告書

ジュラ紀付加体における地震性断層

研究課題

研究課題/領域番号 15K05307
研究機関筑波大学

研究代表者

鎌田 祥仁  筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30294622)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード付加体 / 沈み込み帯
研究実績の概要

現世付加体および白亜紀付加体において観察される地震性断層が,ジュラ紀やペルム紀などの,より古い付加体にも存在する可能性は十分に有り,そうした過去の地震性断層が,どのような性状・特性を持つのか,地震性断層が付加作用において普遍的現象であるのか,継続する付加過程でどのような時期に発達するのか,と言った長い地質時代の観点での検討も今後必要と考えられる.現世・白亜紀付加体に次いで,ジュラ紀付加体にも地震性断層の存在が確認されることは十分に期待される.陸上の過去の付加体における断層岩の性状をはじめ,古地温構造と断層近傍での温度特性などのデータを提供することができれば,現世付加体に見られる地震性断層の過去のアナログデータを提供するものであり,地震性断層の理解の深化に寄与することが期待される.特にジュラ紀付加体は,白亜紀付加体とは対照的に,海山起源の石灰岩と緑色岩が多数付加している事を特徴としている.その近傍での断層岩などの分布や性状を明らかにすることは,現世付加体においてアスペリティーと予測されている沈みこんだ海山のアナログを提供することになる.
このような観点から,栃木県佐野市において,石灰岩採石鉱山を中心に踏査を行うことで,ジュラ紀付加体の海山起源の構成岩(石灰岩と緑色岩)と,砕屑岩類の境界断層について検討した. 石灰岩相(ユニット2)とチャート-砕屑岩相(ユニット3)の境界を重点的に踏査し,断層岩の産出を確認するとともに.その産状の記載を行った.また断層の運動像を検討するために,周辺岩相の変形構造にも着目し,面構造や線構造の観察・記載も行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

海山起源の構成岩(緑色岩と石灰岩)と砕屑岩類の間に発達する境界断層について,踏査を実施することができた,そして,境界断層の性状,変形構造の記載,被熱構造を検証するための試料採取を行い,予察的ながら,レーザーラマンスペクトル解析による被熱温度の測定を行うことができている.レーザーラマンスペクトル装置での測定もルーチン化することができており,今後,多数の試料を測定する準備を整えることができた.

今後の研究の推進方策

今後はレーザーラマン分光測定を用いた上盤と下盤の古地温構造の把握を主な検証事項として行っていく.当該断層に直交する層序断面において,系統的に砂岩および泥質岩を採取し,レーザーラマン分光測定により被熱温度の見積もりを行う.なお泥質岩のイライト結晶度による見積もりも併用する.イライト結晶度については,これまでにも実施してきており,ヨーロッパの標準試料(CIS 標準試料,Kisch, 1980)や日本の標準試料(JIC 標準試料,原・木村,2003)などによる測定値の標準化方法を考慮する.ラマン分光および結晶度を測定する試料については,すべて岩石薄片を作成・観察し,チェックを行う.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] A Middle-Late Devonian radiolarians from Klaeng of Rayong Province, Southeast Thailand: Geotectonic significance of the Rayong area as a continental margin of the Sibumasu Block.2015

    • 著者名/発表者名
      Kamata, Y., Kato, M., Ueno, K., Miyahigashi, A., Chareontitirat, T. and Sardsud, A.,
    • 雑誌名

      Journal of Asian Earth Sciences

      巻: 104 ページ: 197-204

    • DOI

      doi:10.1016/j.jseaes.2014.06.021

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Geological significance of occurrence of Middle Triassic (Ladinian) radiolarians from the Hong Hoi Formation of the Lampang Group, northern Thailand.2015

    • 著者名/発表者名
      Y. Kamata, K. Ueno, H. Hara, K. Hisada, A. Sardsud, T. Charoentitirat, and P. Charusiri,
    • 学会等名
      The Fourth International Symposium of the IGCP 589
    • 発表場所
      Chulalomgkorn Univ. Bangkok, Thailand
    • 年月日
      2015-10-26 – 2015-10-27
    • 国際学会
  • [学会発表] Lithstratigraphy and geochemical features of Triassic siliceous sediments of the Paleo-Tethys distributed in northern Thailand (Preliminary Report)2015

    • 著者名/発表者名
      R. Yamamoto, and Y. Kamata
    • 学会等名
      The Fourth International Symposium of the IGCP 589
    • 発表場所
      Chulalomgkorn Univ. Bangkok, Thailand
    • 年月日
      2015-10-26 – 2015-10-27
    • 国際学会
  • [学会発表] タイ国北部Lampang 層群Hong Hoi層から産出した三畳紀中世の放散虫化石.2015

    • 著者名/発表者名
      鎌田祥仁・上野勝美・宮東照・原英俊・久田健一郎・宇野康司・Thasinee Charoentitirat・Punya Charusiri,
    • 学会等名
      日本地質学会第122年学術大会,信州大学.
    • 発表場所
      信州大学(長野県長野市)
    • 年月日
      2015-09-10 – 2015-09-10

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公開日: 2017-01-06  

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