前弧堆積盆の砂岩及び花崗岩礫のジルコンU-Pb年代より,後期白亜紀の86 Maと69 Ma頃に2回の火成弧の隆起があり,前弧海盆では海底扇状地堆積物の発達があり,堆積時に活動した火山岩由来のジルコンと共に深成岩類が礫として大量に供給されたことが明らかになった.一方,白亜紀付加コンプレックス中の砕屑性ジルコン年代は,ジュラ紀-ペルム紀の年代が優勢なグループから先カンブリア時代の年代が増加する傾向が明らかになった.白亜紀の火成弧の隆起と同時にジュラ紀やペルム紀火成弧の痕跡も同時に隆起削剥されているものと推定した.
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