中新世の代表的な年代指標種であるParagloborotalia siakensisについて,東赤道太平洋での約16-11Maに至る長期間のサイズ変動を明らかにした.さらに,代表的な層準についてX線CT法による三次元形態測定を実施した.結果として,東部南極氷床の拡大イベントの最初期で顕著に小型化し,直後に急回復するという変動が観察された.また,赤道太平洋における東西対立の強化に伴い,サイズ分布の顕著な大型化が認められた.これは海洋の富栄養化に対する応答と考えられ,これまで進化モデルの文脈から議論されてきたdwarfingやgigantismのメカニズムとは異なるものと考えられる.
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