研究課題
京都ランプロファイアーの高Nb玄武岩組成を示すvogesiteについて検討したvogesiteは島弧玄武岩の特徴を示し,沈み込み帯での堆積物の混成作用と上部地殻における地殻物質の混成作用があった.さらにこのマグマは,マグマ発生時には極めてマントル溶融の程度が低かったと推定された.Vogesiteは107 MaのK-Ar年代を示すが,同時代のマグマ活動は西南日本や韓半島の慶尚盆地に広がっており,スラブのロールバックとそれに伴うアセノスフェアの上昇に起因しているものと推定した.於福プルトンの岩石学的・鉱物学的特性を明らかにし,このプルトンでは分別結晶作用が深成岩のマグマの進化をもたらし,それによってハロゲン元素や希土類元素が最末期のメルトに濃集し,さらにメルトから分別した流体が沸騰することにより金属元素を運搬することのできる高塩濃度流体が形成された.銅については,先行研究の結果から,熱水の沸騰により生じた蒸気相に濃集し,それが結果としてプルトン周辺の銅鉱化作用につながったと結論した.山口県下関市蓋井島における白亜紀火成活動史とマグマ混交・混合現象について検討した.本島に分布する花崗岩(蓋井島花崗岩と呼ぶ)には複数回のマグマ混合が見られることや花崗岩質パイプの存在が明らかとなった.愛媛県岩城島からリチウムに富む新鉱物を発見し,「村上石」と命名し,国際鉱物連合の新鉱物・命名・分類委員会によって新鉱物と認定された.西南日本外帯に分布するランプロファイアーと玄武岩岩脈の岩石学とテクトニクスについて検討した.これらの岩石は,トレンチ近傍に産出し,OIBタイプのマントル起源で,フィリピン海プレートのスラブの下から上昇してきたアセノスフェアがスラブの垂直破断やセグメント化した部分に沿って上昇してきたものと議論した.
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