酸素同位体比を用いて水-岩石反応のモデル化を行い、岩石の形成過程と変成作用における水の影響を明らかにした。ヒマラヤの超高圧変成岩中ジルコンの酸素同位体比を測定した。岩石試料から3つの形成段階、(1)火成起源の原岩、(2)超高圧変成作用、および(3)後退変成作用(加水反応)を識別できた。δ-18Oの値に基づいて原岩形成時のマグマは天水由来の熱水の影響を受けたこと(低いδ-18O値)と、当時のインド大陸は寒冷気候(南部高緯度)であったことが示唆される。また、超高圧変成作用に伴って形成されたジルコンのδ-18Oは再平衡に達している。成果はLithosとGondwana Researchに掲載された。
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